2019年上半期私的ベストアルバム
2019年上半期、私的 ベストアルバム
(先日、ある課題で書いたものをそのまま貼ります。)
音楽シーンへの登場から約2年。
MVでも注目を集めてい た「メルシー」や「TOKYO LIAR」のCD音源化を含め、 13曲が収録された初のフルアルバム。
これまで 、人間に蔓延る負の感情や孤独、そして世の中へのアンチテーゼを、攻撃的で悲観的な歌詞で表現してきた。
『空っぽのままでも迫る未来 終わってしま うならその程度/蹴り落としてでも掴み取れ』
表題曲「2 0XX」で歌われているのは、”理想を追う虚しさや皮肉”、 そして”自分への期待や救いを掴む意思”。
この背反する感情を当事者として問い、歌うことで、神僕の世界観はより説得力のあるものとなる。
vo.どこのだれかの圧倒的な表現力で、その世界観はよりリアルなものとなって私の耳に届くのだ。
また、今回のアルバム の中で一味違う雰囲気を感じるのは、どこのだれか作曲「破滅のオレンジ」、和泉りゅーしん作曲「沈黙」だろうか。
「破滅のオレンジ」では曲頭から⻭切れの良いリ ズムを刻みつつも、嘆き叫ぶように歌われるサビのギャッ プが斬新であるし、「沈黙」ではジャジーな雰囲気と、女性目線の歌詞が相まってなんとも言えない上品さがある。
多くの楽曲は東野へいとが作曲をしているが、神僕の世界観をさらに広げてくれると感じた。
彼らの音楽をもっと読み解きたい。歌詞の意味を理解して、曲の構造の意図まで知りたい。そんなことを思った一枚であった。