個人的曲の感想のメモメモ
52Hz
まずPVにも出てくる「クジラ」について。
周波数52Hzで鳴くクジラ、通称「52Hzのクジラ」というのは、あるクジラの種であるらしい。シロナガスクジラやナガスクジラなどの他のクジラの鳴き声の周波数が10~30HZなのに対して、
このクジラの周波数は52Hz。
他のクジラの周波数と比べて、圧倒的に高い周波数。
このメカニズムは解明されておらず、他の仲間とのコミュニケーションが取れないことから「世界1孤独なクジラ」とも言われる。
WikipediaやYouTubeで調べるとその音を聞くことができる。
この話を少し知っておくとより歌詞を深く感じられるかもしれない。
そんな、52Hzの鯨をモチーフにした楽曲。
まず歌詞。
愛を願うも、感じるのは深海のように深い倦怠感と孤独。
そんな深い孤独からどこか連れ出して欲しい、という思いを持ちつつ
冷たい暗闇に包まれ沈んでいく諦めを歌う1番。
本来、本能である生。それまでもを喪失してしまう、どうやっても光には届かない、
未来すら見えないようなたった一人きりの世界の絶望と、ほんの少し淡い期待を寄せる2番。
Cメロでは、
誰かに救って欲しいというSOSを、誰にも届かないかもしれない52Hzで何度だって叫び続けようという切ない心理が現れる。
期待と孤独を繰り返す、
繊細な情動を高い語彙力で表現。
へいとさん、流石です。という感じ。
サビでは、
「ここに僕はいるよ」という言葉が印象的だった。
歌詞の中で唯一(といっていいくらい)直接的なこの訴え。ストレートに耳に入ってくる。優しくも力強く歌われる。
そして、もう一つ
サビではAメロBメロとはやや雰囲気が異なり、
大きく跳躍する音が特徴で、まさに苦しみを叫んで主張するようにも感じる。
そして1番と2番ではサビの入り方も音も異なるのが面白いと思う。
1番のサビではドラムから2拍空いてよく息づかいが聞こえ、
酸 欠 めいた命が歌った
F# C#
となっているのに対して2番は
酸 欠 めいた命が歌った
F# D#
と音が変化し、ラストのサビではさらに三連が入る。
音が上がった2番のサビ、そしてラストのサビとより感情を強く感じるような気がして、個人的に好きな部分。
曲全体的には
ギターなどのバッキングは素早く鋭く動いているのに対して、メロは割とシンプルでしっかりしているところも面白い。
作曲に和泉さんがいるからか、他の曲とは違う雰囲気もあるのかなとも感じる。
すごく素敵な曲なので6月のワンマンで歌ってくれることを楽しみにしているし、
他の曲もどう歌い上げるのか気になる。